第70回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月15 日)

第70回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は国立国際医療研究センター研究所・竹内史比古先生を講師としてお迎えし、ゲノムワイド関連解析について講演していただきます。

・日時:平成28年1月15日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ゲノムワイド関連解析(GWAS):多人種大規模化の成功、地域差の心配
・講師:竹内史比古(国立国際医療研究センター研究所)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:「DNA−RNA−タンパク質−細胞−組織−器官−個体」の生体階層構造において、DNAがコードするゲノムと個体の健康状態である疾患は、両端に位置しているにも拘わらず、疾患ゲノム研究は疾患の解明と治療法開発の強力な手段である。それが可能なのは、ゲノム変異と疾患の関連が統計的に解析でき(関連解析)、また統計的関連が因果関係を示唆するからである。検出力を上げるための多人種大規模解析、および関連解析で交絡要因となりうる遺伝的地域差について紹介する。

(1)血圧に関する大規模GWAS
欧米人・東アジア人・南アジア人合計320,251名について血圧のGWASを行い、12の新規関連遺伝子座を同定した。血圧関連SNPsの中には近接したCpGサイトのメチル化と関連するものが多く、SNPsと血圧の遺伝的関連がメチル化を経由していることが示唆された。
(2)日本人の遺伝的地域差
アジア人多様性プロジェクトでは、日本人8集団1600名を含む、アジア人34集団3928名を解析している。全ゲノムのSNPs情報のみから、日本人を9つのクラスターに分類でき、またそのクラスターは国内の地域と対応していた。疾患関連解析ではクラスターの影響を適宜確認する必要がある。

・世話人:山口由美、長﨑正朗