Cell Illustrator

Cell Illustrator (セルイラストレータ)

Cell Illustrator は、東京大学医科学研究所の宮野悟教授と共同で開発しているソフトウェアです。現在最新版のCell Illustrator Online 5.0の製品版が東京大学より株式会社セルイノベーターにライセンスされています。2012年4月の時点で、バージョン 5.0 が最新になっています。パスウェイを描く機能とシミュレーションの機能が一体となっているソフトウェアです。

CIOは、「生物系の研究室に所属する研究者が実験をするかたわら、パスウェイの情報を知識整理し、その知識整理したモデルをシミュレーションすることで次の実験に何をするかを決められる」ことを目標として開発されており、パスウェイをまるで絵を描くように直感的な操作で作成することが可能です。
また、作成されたモデルの再利用性を高めるオントロジーの機能もユーザーが意識することなく自動的に利用できるようになっています。
このオントロジーの情報は、CIOで作成したモデルの正当性検査や自動レイアウトに活かされています。
CIOのシミュレーションのエンジンは Petri netという視覚化表現にもとづく並列、分散、確率的挙動のシミュレーションを得意とする言語をより生体内パスウェイのモデル化に拡張したハイブリッド視覚化表現手法(Hybrid Functional Petri Net)を開発、実装しており、とても強力なシミュレーションエンジンです。セルイラストレータで作成されたモデルはOffice2007でも標準形式として採用されている記法と同じXMLフォーマットであるCSML 形式になっており、 他の生体内パスウェイを表記するフォーマットであるCellML や SBMLを読み込むこともでき、既存の数百のシミュレーション可能な生体内パスウェイを表示・編集することができます。セルイラストレータは、東京大学医科学研究所の他、山口大学大学院理工学研究科、オーストラリアのクィーンズランド大学分子生物化学研究所 (IMB) や ARC バイオインフォマティクスセンターで行われている Visible Cell プロジェクトなどで利用された実績があり、さまざまな成果を挙げています。

このソフトウェアについての使い方についても説明した書籍を日本語、英語、韓国語で出版しています。

日本語: 「システム生物学がわかる!」―セルイラストレータを使ってみよう―(共立出版)

土井 淳/長崎正朗/斉藤あゆむ/松野浩嗣/宮野 悟
共立出版
発売日:2007-07-10

英語:“Foundations of Systems Biology: Using Cell Illustrator and Pathway Databases”, Springer

韓国語:시스템 생물학의 기초 나가사츠 마사오 (지은이) | 도진환 | 정은아 (옮긴이) | 도서출판 아진