第71回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月22 日)

第71回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は東京大学大学院新領域創成科学研究科・笠原雅弘先生を講師としてお迎えし、ゲノム配列決定の情報処理技術について講演していただきます。

・日時:平成28年1月22日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ゲノム配列決定の情報処理技術
・講師:笠原雅弘(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:世界初の商用リアルタイム1分子DNAシークエンサーである PacBio RS を
用いた全ゲノムショットガン法は、ゲノム配列を高効率・高精度に決定するための手段としてデファクトスタンダードになりつつある。しかし、それ以前のDNAシークエンサーと比較して連続読み取り長(リード長)が1桁大きく塩基の読み取りエラー率が1桁以上高いため、出力された情報を活かしきって大型ゲノムの配列復元(ゲノムアセンブリ)を行うことは難しかった。本講演ではゲノムアセンブリを行う情報処理技術の進展、特に塩基エラーの訂正技術や大型ゲノムへ対応するためのデータ構造の工夫などについて紹介する。また、PacBio 以外の新しい観測技術を用いた萌芽的なゲノム配列決定技術の動向についても紹介したい。

・世話人:柴田朋子、長﨑正朗

第69回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月12 日)

第69回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は名古屋大学大学院医学系研究科・祖父江元先生を講師としてお迎えし、日本人ゲノムを用いた筋萎縮性側索硬化症病態関連遺伝子の探索について講演していただきます。

・日時:平成28年1月12日(火) 15:30‐17:00
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階大会議室
・演題:日本人ゲノムを用いた筋萎縮性側索硬化症病態関連遺伝子の探索
・講師:祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性脱落により進行性の筋萎縮と筋力低下をきたし、発症から数年で死亡または永続的な人工呼吸器装着が必要となる神経難病である。ALS患者の10%程度は単一遺伝子病であると想定されており、原因遺伝子が複数同定されているが、大部分を占める孤発性ALSの病態関連遺伝子・分子は十分明らかにされていない。病態解明、治療法開発にあたっては孤発性ALS病態関連遺伝子・分子の同定が必要である。
我々は多施設共同ALS患者レジストリシステムであるJaCALSを立ち上げ、既に1140例のALS患者の前向き臨床情報とゲノムDNAおよび不死化リンパ球を蓄積している。この研究リソースを活用して一塩基多型(SNPs)を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、孤発性ALS関連遺伝子としてZNF512Bを同定、急速進行型孤発性ALSにTitinの発現低下が関連などの実績がある。
近年、孤発性疾患の病態に対してはcommon SNPsではないアレル頻度の低いvariantsが多数寄与しているというmultiple rare variants仮説が提唱されている。本研究においては、JaCALSの孤発性ALSゲノムと東北メディカル・メガバンク機構におけるコントロールを用いた関連解析により、孤発性ALS関連variantsを同定することを目的としている。我々は孤発性ALS 750例分のエクソーム解析を今年度中に終了する見込みであり、円滑に関連解析を開始できる状況にある。解析の結果、孤発性ALS関連遺伝子を見出した場合、特定の遺伝子型をもった患者由来のiPS細胞作製などにより、疾患モデル作成、病態解析、治療薬スクリーニングを進める予定である。

・世話人:長﨑正朗

第70回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月15 日)

第70回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は国立国際医療研究センター研究所・竹内史比古先生を講師としてお迎えし、ゲノムワイド関連解析について講演していただきます。

・日時:平成28年1月15日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ゲノムワイド関連解析(GWAS):多人種大規模化の成功、地域差の心配
・講師:竹内史比古(国立国際医療研究センター研究所)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:「DNA−RNA−タンパク質−細胞−組織−器官−個体」の生体階層構造において、DNAがコードするゲノムと個体の健康状態である疾患は、両端に位置しているにも拘わらず、疾患ゲノム研究は疾患の解明と治療法開発の強力な手段である。それが可能なのは、ゲノム変異と疾患の関連が統計的に解析でき(関連解析)、また統計的関連が因果関係を示唆するからである。検出力を上げるための多人種大規模解析、および関連解析で交絡要因となりうる遺伝的地域差について紹介する。

(1)血圧に関する大規模GWAS
欧米人・東アジア人・南アジア人合計320,251名について血圧のGWASを行い、12の新規関連遺伝子座を同定した。血圧関連SNPsの中には近接したCpGサイトのメチル化と関連するものが多く、SNPsと血圧の遺伝的関連がメチル化を経由していることが示唆された。
(2)日本人の遺伝的地域差
アジア人多様性プロジェクトでは、日本人8集団1600名を含む、アジア人34集団3928名を解析している。全ゲノムのSNPs情報のみから、日本人を9つのクラスターに分類でき、またそのクラスターは国内の地域と対応していた。疾患関連解析ではクラスターの影響を適宜確認する必要がある。

・世話人:山口由美、長﨑正朗

大学院入試要項/日程のお知らせ(12月15日)

2016年4月入学:東北大学大学院情報科学研究科入試日程

試験日程:平成28年3月1日(火)~3月3日(木)
※群によって試験日が異なるので注意すること。

願書受付

・一般、外国人留学生等、社会人
平成28年1月4日(月)~平成27年1月7日(木)

・早期卒業
平成28年1月26日(火)~平成28年1月29日(金)

合格発表:平成28年3月7日(金) 17:00

詳細は、こちらを参照ください。


2016年4月入学:東北大学大学院医学系研究科入試日程

試験日程:1月26日(火)

願書受付:1月4日(月)~1月8日(金)

合格発表:2月12日(金)

詳細は、こちらを参照ください。

長崎研究室 研究室紹介と学生募集の概要のページはこちら

第67回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(12月11 日)

第67回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は自治医科大学分子病態治療研究センター・中山一大先生を講師としてお迎えし、内臓脂肪ゲノムバンクの構築とその活用について講演していただきます。

・日時:平成27年12月11日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:内臓脂肪ゲノムバンクの構築とその活用
・講師:中山一大(自治医科大学分子病態治療研究センター)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:内臓脂肪は大網などの腹膜周辺に存在する白色脂肪組織である。内臓脂肪は遊離脂肪酸やサイトカインなどを活発に分泌することにより、肝機能障害、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症、耐糖能異常など様々な代謝異常を惹起する。内臓脂肪蓄積の遺伝率は皮下脂肪蓄積の遺伝率とは部分的に独立しているが、特異的に寄与する遺伝的多型の同定は進展していない。内臓脂肪蓄積の遺伝的基盤を解明することは、その下流に位置する様々な慢性疾患の病態解明に貢献するかもしれない。我々のグループでは、自治医科大学附属病院にて一般人間ドック受診した成人3013名から、臍の高さでの内臓脂肪面積、血清脂質濃度の有無などをはじめとした各種健診情報、ゲノムDNAの収集を行い、これらをまとめた内臓脂肪ゲノムバンクを構築した。本セミナーでは、同ゲノムバンクの解析から明らかになったTribbles Pseudokinase family遺伝子と生活習慣病との関連性をはじめ、これまでに得られた知見を紹介する。

・世話人:三澤計冶、長﨑正朗

第66回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(12月8 日)

第66回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回はドイツのミュンスター大学・Wojciech Makalowski先生を講師としてお迎えし、「熱帯病の遺伝子型判定病原体におけるナノポアシーケンシング」について講演していただきます。

・日時:平成27年12月8日(火) 17:00‐18:30

・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:Nanopore Sequencing for Genotyping Pathogens of Tropical Diseases – Bioinformatics Challenges
・講師:Wojciech Makalowski(Institute of Bioinformatics, University of Muenster)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:Sequencing technology continues to revolutionize life sciences. However, all the main stream technologies share several weaknesses, such as short reads and bulky instruments with high price tag. The latter prohibits usage of the sequencing directly in the field or in rural hospitals. Therefore there’s a pressing need for a simple and low-cost instrument that could be used for rapid disease diagnosis or biological sample identification. Recently introduced MinIONTM by Oxford Nanopore Technologies meets these expectations as it’s very portable with just four inches in length and operability via the USB port of a laptop computer. As a part of the Oxford Nanopore MinIONTM Access Program (MAP) we have tested applicability of the nanopore technology for genotyping of tropical diseases. In particular, it was applied to two different tasks: serotype determination of the dengue virus and genotyping of the malaria parasites. Despite very low accuracy of a single molecule read we were able successfully discriminate between different dengue virus serotypes using multiple-sequence alignment and majority rule for the base call. We demonstrate that sequence depth generated by a single run of the MinIONTM is sufficient for precise serotyping of the virus. Similarly, our preliminary results suggest that the nanopore sequencing should be useful in genotyping of the malaria parasite. Since Oxford Nanopore Technologies don’t provide any specialized software for the sequence analysis, we built a simple web-based pipeline for sero- and genotyping. The pipeline is freely available at http://bioinformatics.uni-muenster.de/tools/NanoPipe/index.hbi.

・世話人:山口由美、長﨑正朗

第65回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(11月27日)

第65回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は名古屋大学大学院医学系研究科・山本敏充先生を講師としてお迎えし、常染色体・Y染色体上のマイクロサテライトから見た様々なヒト集団の遺伝的関係について講演していただきます。

・日時:平成27年11月27日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2  

・演題:常染色体・Y染色体上のマイクロサテライトから見た様々なヒト集団の遺伝的関係 -日本及び日本周辺のヒト集団を中心として-
・講師:山本敏充(名古屋大学大学院医学系研究科 法医・生命倫理学)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:現在では、多くのヒト集団遺伝学的研究が、約1MのゲノムワイドSNPs解析や全ゲノム配列解析によりなされている。一方、法科学分野では、マイクロサテライト(法科学分野ではSTRs: short tandem repeats)が、個人識別や血縁関係を調べるために、十数座位を型判定できるマルチプレックスキットが市販化され、世界中で汎用されている。それらのデータを利用して、各個人の祖先系ヒト集団を推定することは、ある程度可能である。しかし、日本周辺諸国の比較的遺伝的に近縁なヒト集団の祖先系を推定することは、困難である。本講演では、我々が行ってきた、105座位のSTRsのデータによる東・東南アジアなどヒト地域集団の遺伝的関係や、それらのデータを用いた、日本人と中国人、あるいは、日本人と韓国人(朝鮮族)とを統計学的に区別する可能性について紹介する。また、Y染色体上STRs(Y-STRs)も、性犯罪や男系の血縁関係を調べる上で、法科学的に重要で、常染色体STRs同様、市販化キットが汎用されている。このキットを利用した、モンゴル5地域のヒト集団、並びに、理化学研究所BRCとの共同研究で行った南米の少数民族おける、Y-STRsハプロタイプ・ネットワーク解析結果を紹介する。

・世話人:河合洋介、長﨑正朗

第64回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(11月24日)

第64回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は自然科学研究機構 新分野創成センター・郷康広先生を講師としてお迎えし、「ゲノムを通して我が身を知る〜ヒトとサルの間にあるもの〜」について講演していただきます。

・日時:平成27年11月24日(火) 16:00‐17:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ゲノムを通して我が身を知る〜ヒトとサルの間にあるもの〜
・講師:郷 康広(自然科学研究機構 新分野創成センター)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:ヒトの参照ゲノム配列が解読されて15年あまり、ヒトの病気の原因遺伝子解明や多様性研究のために、10万人全ゲノム解析やシングルセルゲノミクス・トランスクリプトミクス研究が世界規模で進められている。しかし、いくら多様なヒトゲノムが明らかになったとしても、ヒトの本質的な理解、さらには進化的意義を知るためには、ヒトゲノムだけでなく、ヒト以外の種の個性や多様性とヒトのそれらを比較することが必要不可欠である。そこで、私は病気と進化を二つのキーワードとし、ヒトの比較対象としてヒト以外の霊長類、特にチンパンジーやマカクザル・マーモセットのゲノム多様性解析、脳を対象としたトランスクリプトーム解析を中心に研究をすすめている。それらヒト以外の霊長類ゲノム・トランスクリプトーム研究から見えてくる「ヒトとサルの間にあるもの」について考えてみたい。

・世話人:佐藤行人、長﨑正朗

日本人類遺伝学会 第60回大会にて講演(10月16日)

河合洋介 講師が10月16日(金)に日本人類遺伝学会 第60回大会のランチョンセミナーにて講演を行いました。

講演会名:日本人類遺伝学会 第60回大会 ランチョンセミナー8
日時:2015年10月16日(金)
場所 : 京王プラザホテル(新宿)
講師:河合洋介 12:30~13:20「ISNPアレイデータの全ゲノムインピュテーション」

プログラムの詳細はこちらにて

第4回学際領域ゼミ開催のお知らせ(9月17日)

東北大学大学院医学系研究科 平成27年度 第4回学際領域ゼミを下記のとおり行いますのでご案内いたします。

・日時:平成27年9月17日(木) 18:00‐20:00
・場所:第1講義室(医学部1号館1階)
・演題:情報科学からみたゲノム医療
・講師:長﨑 正朗 教授

※本ゼミは、医学履修課程2~4年次、障害後期課程2~3年次学生の履修対象科目です。

1.ゼミ(全6回)の出席とブースター申請にて、単位が認定されますので、該当学生は必ず参加ください。
今年度のブースター申請受付は、終了しました。
2.ゼミの出席は、受付で配付する感想文の提出をもって確認します。 単位履修者はゼミ終了後に感想文回収箱までご提出ください。

一般講演も兼ねておりますので、 学部生・教職員のみなさまも奮ってご参加ください。

掲載元:東北大学大学院医学系研究科 医学部 ウェブサイト