長﨑教授とオリビエ博士がESHG 2019に参加発表しました(6月15日‐17日)

6月15日(土)‐17日(月)長﨑教授とオリビエ博士がESHG 2019(European Human Genetics Conference)に参加発表しました。

・日時:令和元年6月15日(土)‐17日(月)
・場所:Gothenburg, Sweden
・ポスタータイトル:HLA-VBSeq v2: enhancements of HLA genotyping accuracy from WGS data with full-length Japanese HLA sequences
・言語:英語

ESHG2019

(12月14日)第84回インシリコ・メガバンク研究会、東芝共同研究量子暗号通信セミナー、セキュリティセミナー合同開催

第84回インシリコ・メガバンク研究会、東芝共同研究量子暗号通信セミナー、セキュリティセミナーを下記のとおり合同で開催しますのでご案内いたします。

・日時:平成29年12月14日(木) 18:00-19:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階大会議室
・プログラム
1. 共同研究の進捗説明 長崎正朗教授

2. 講師:佐々木雅英先生(国立研究開発法人 情報通信研究機構)
演題:量子暗号技術を用いた超長期セキュア秘密分散保管システム
概要:ゲノム情報や個人の生命に関わる医療情報が複数の家系や複数の世代に関わる情報であり、万が一漏洩すれば取り返しのつかない事態を招くため、世紀単位の超長期間にわたって機密性(情報が漏れないこと)と完全性(データが改ざんされないこと)を保証する必要がある。しかし、現代暗号のみでは、将来の安全性の危殆化を完全に防ぐことができないため超長期の機密性・完全性の確保は不可能である。一方、量子暗号という技術と秘密分散というプロトコルをうまく組み合わせることにより、どんな計算機でも解読できず、災害等で一部エリアのサーバが損しても原本データを正しく復元できる秘密分散保管システムを実現することができる。情報通信研究機構では、現在、医療機関の協力を得て、超長期セキュア秘密分散保管システムの研究開発に取り組んでいる。本セミナーでは、量子暗号の仕組みを解説し、秘密分散保管システムの概要と取り組みの現状、今後の展望について紹介する。

3. 講師:佐藤英昭研究主幹(株式会社東芝 研究開発本部 研究開発センター)
演題:東芝の量子暗号通信技術と東北大学との共同研究概要 
概要:量子暗号通信は、究極の安全性を実現する暗号通信システムで、将来にわたって通信データを解読できない暗号通信を実現することが可能です。 東芝では、英国の東芝欧州研究所ケンブリッジ研究所で開発した量子暗号通信技術の実用化に向けた取組みを進めており、ゲノム解析データの送信実験を東北大学との共同研究として2015年から実施しています。本講演では、共同研究成果の概要と量子暗号通信装置の最新の研究開発状況をご説明するとともに、量子暗号通信を活用したシステムの将来構想についても言及します。

4. セキュリティの重要性 高井貴子准教授 

5. 閉会の挨拶 長神風二特任教授  

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。 

世話人:長神風二、高井貴子、長﨑正朗

‌三澤計治助教が 日本人類遺伝学会 第62回大会 にてポスター発表(2017/11/16)

11月16日(木)‌三澤計治助教が 日本人類遺伝学会 第62回大会 にてポスター発表を行います。

・日時:平成29年11月16日(木) 18:10-19:10
・場所:神戸市
・講演タイトル:複数の研究機関が持つゲノムデータを相互に開示せず分析する解析手法を開発

日本人類遺伝学会 第62回大会

第83回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(9月19日)

第83回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は大阪大学微生物病研究所・Daron Standley先生を講師としてお迎えし、「Quantifying structural and functional convergence in immune cell repertoires」というタイトルで講演していただきます。

・日時:平成29年9月19日(火) 17:00-18:30 
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2  
・演題:Quantifying structural and functional convergence in immune cell repertoires  ・講師:Daron Standley (大阪大学微生物病研究所)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要: It is well established that protein structure is more conserved than sequence on an evolutionary timescale.  This fact allows functional inferences to be drawn from proteins that share the same fold, even when their sequence similarity is quite low. In the case of B cell receptors, the relationships between sequence and structure and function are more complex. Most BCRs look similar globally but differ in the details of their antigen-binding regions. These differences are due to the fact that each BCR is assembled from a patchwork of genes, which are combined randomly and can be further diverged by random mutations upon antigen encounter. Traditionally, bioinformatics analysis of BCR sequences involves clustering those that arise from the same genes into “lineages”, in order to identify BCRs in a given donor that target a common antigen.  The diversity of BCRs has been estimated to exceed 1013 in humans, which means that it is very unlikely that any two donors will display the same repertoire of BCRs, even after exposure to the same antigen. Nevertheless, x-ray crystallographic studies have demonstrated that structurally and sequentially similar BCRs targeting common antigens can arise in different donors using different genes. Our hypothesis is that clusters of BCRs targeting the same antigen are more likely to have sequence and structural features in common than BCRs targeting different antigens. High-throughput sequencing methodologies can now deliver paired (heavy-light chain) sequence datasets on the order of 104 sequences per experiment, and are expected to improve rapidly in the near future. Clearly, x-ray crystallography will not be able to cope with so many emerging BCR sequences in a high-throughput manner. Thus, there is a strong motivation to leverage structural bioinformatics in order to infer structure and functional similarities. In this presentation, I will show results from our high-throughput BCR and TCR structural modeling platform (Si Repertoire Builder). Using multiple alignment and 3D rendering methods developed in our lab, we could reduce the time required to build an atomic-resolution BCR model to just seconds, corresponding to over 17,000 atomic resolution models per day on a single CPU. We then show that human BCRs acquired post flu vaccination display strong structural convergence, and even exhibit structural similarities to BCRs acquired from vaccinated mice. These findings suggest that BCR modeling, in combination with high-throughput sequencing may be able to identify diverse sequences targeting common antigens across donors and across species.  

・世話人:寺口俊介、長﨑正朗

長﨑教授が第15回日本臨床腫瘍学会学術集会にて招待講演および座長を担当 (7月27日)

7月27日(木)長﨑教授が第15回 日本臨床腫瘍学会学術集会にて招待講演および座長を担当します。

・日時:平成29年7月27日(木)12:30-14:30
・場所:神戸コンベンションセンター Room4(1号館2階HallA) 
・セッション:日本人ゲノム配列とがん
・テーマ:精度の高い日本人ゲノム配列情報を利活用したがんゲノム研究の最前線
・講演タイトル:数千人規模の日本人全ゲノムリファレンスパネルと日本人参照配列の構築

第15回 日本臨床腫瘍学会学術集会プログラム

医学系研究科入学試験の出願期間のお知らせ

医学系研究科学生募集について、下記のとおり出願の受付けを
行っています。

【出願期間 7月14日(金)~7月28日(金)】
・30年4月入学、進学、編入学
 医科学専攻 修士課程・博士課程(医学履修課程)
 障害科学専攻 博士課程前期2年の課程・後期3年の課程
 保健学専攻  博士課程前期2年の課程・後期3年の課程
 公衆衛生学専攻 修士課程
 ヒューマンセキュリティ連携国際教育プログラム

・29年10月入学入学・進学・編入学
 医科学専攻 修士課程・博士課程(医学履修課程)
 障害科学専攻 博士課程前期2年の課程・後期3年の課程
 ヒューマンセキュリティ連携国際教育プログラム

【出願受付場所】
 医学系研究科大学院教務係窓口(1号館2階)
  平日 9:00~17:00 の間
 (土・日・祝日は受付を行いません。)

日本人3,554人分の全ゲノムリファレンスパネルを作成 ‐日本人を対象とするゲノム医療に大きく貢献‐【プレスリリース】

当研究室で開発を行った研究がプレスリリースとして発表されました。

【発表のポイント】
・東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)は、3,554人の全ゲノムリファレンスパネル(3.5KJPN)を作成し、約3,710万個の一塩基変異(SNVs)を収載することに成功しました。同SNVsの72%以上にあたる約2,690万個が、世界各地のSNVsを登録する国際データベースには存在しません。集団(民族集団など)が保有するSNVsの多くは集団ごとに特徴的なことが知られていることから、3.5KJPNには日本人に特徴的なSNVsが多数収載されていることが明らかになりました。今後、3.5KJPNは日本人を対象とするゲノム医療に大きく貢献することが期待されます。

・3.5KJPNの約32%は宮城県と岩手県以外の検体から構成されています。詳細に検討すると、日本列島内の地域集団の微細な違いは確認されるものの、他のアジア集団のゲノム情報とは、大きく、かつ明確に異なる日本列島出身者としてのまとまりが検出されました。これらのことから、これまでToMMoが開発してきたリファレンスパネル(1KJPN、2KJPN)が日本人の特徴を幅広く反映するものであることが実証されました。合わせて、3.5KJPNは日本全国の地域集団の特徴を更に詳細に反映していることも明らかになりました。

・3.5KJPNは、日本人の持つ0.03%以上のSNVsをカバーするものと考えられます。ToMMoとIMMは本パネルに含まれるすべてのSNVsの位置情報、アレル頻度情報及びアレル数情報を近日中に公開します。これらの情報により、現在日本医療研究開発機構(AMED)が実施中の、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)事業における疾患候補遺伝子の絞り込み性能のさらなる向上が見込まれます。また、疾患への罹患リスク推定などの目的で利用されるマイクロアレイ解析での全ゲノム復元性能を向上させることも可能になります。このように3.5KJPN全ゲノムリファレンスパネルは本邦におけるゲノム医療の研究基盤として大いに活用されるものと期待されます。

 

【概要】
ToMMoとIMMは、東北メディカル・メガバンク計画が宮城県と岩手県で実施するコホート調査への協力者3,344人、および国立病院機構長崎医療センターにおける協力者181人、ながはま0次予防コホート事業への協力者29人(日本人一般住民合計3,554人分)の全ゲノム塩基配列を解析し、精度検証を進めることで、日本人の全ゲノムリファレンスパネル(3.5KJPN)を作成することに成功しました。

3,554人分のDNA情報を次世代シークエンサーで読み取り、のべ約329兆塩基もの高品質な全ゲノム断片配列情報を解読し、スーパーコンピュータによる情報解析技術と他の手法による実験結果による検証とを組み合わせることで、最終的に信頼度の高い約3,710万箇所のSNVsを同パネルに収載しました。同SNVsの72%以上にあたる約2,690万箇所は世界各地のSNVsを登録する国際データベースに報告されていない新規のSNVsでした。3.5KJPNは、日本人の持つ0.03%以上のSNVsをカバーするものと考えられます。

集団(民族集団など)が保有するSNVsの多くは集団ごとに特徴的なことが知られていることから、3.5KJPNは日本人に特徴的なSNVsが多数収載されていることが明らかになりました。今後、3.5KJPNは日本人を対象とするゲノム医療へ大きく貢献することが期待されます。

3.5KJPNの約32%は宮城県と岩手県以外の検体から構成されており、詳細に検討すると日本列島内の地域集団の微細な違いは確認されるものの、他のアジア人の集団のゲノム情報とは、大きく、かつ明確に異なる日本列島出身者としてのまとまりが検出されました。これらのことから、これまでToMMoが開発してきたリファレンスパネル(1KJPN、2KJPN)が日本人の特徴を反映していることも明らかになりました。合わせて、3.5KJPNは日本全国の地域集団の特徴を更に幅広く反映しています。

東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災の被災地等で健康調査を行い、被災地の健康状態の改善と遺伝要因・環境要因を考慮した次世代型医療・予防の確立を目指したもので、事業の実施は、ToMMoとIMMとが連携して行っています。

プレスリリース本文

【公開予定
本成果について、平成27年度より、本計画の研究支援機関であるAMEDのデータシェアリング方針のもとに、当計画における解析結果は速やかに研究者コミュニティに共有することとしており、本リファレンスパネルによるSNVsの位置情報、アレル頻度情報及びアレル数情報は、ToMMoの専用ウェブサイトiJGVD(integrative Japanese Genome Variation Database)で間もなく公開されます。

東北メディカル・メガバンク機構ウェブサイト(2017.07.20)より抜粋

リンク元:http://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/16271