第57回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(2月27日)

第57回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は大阪大学産業科学研究所・杉山 麿人先生を講師としてお迎えし、「統計的に有意な構造をビッグデータから発見する」について講演していただきます。

・日時:平成27年2月27日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:統計的に有意な構造をビッグデータから発見する
・講師:杉山 麿人(大阪大学 産業科学研究所 知能推論研究分野)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:ビッグデータからの知識発見を目的とするデータマイニングは、化学や生物学などの基礎科学から経営やマーケティングへの応用に至るまで幅広い分野で活用されている。特に、共起して発現する遺伝子の組み合わせや、特定の活性をもつ化合物が共有している構造などデータに潜む組み合わせ的構造を発見するための手法の開発は、データマイニングにおける中心的課題である。ところが、発見された知識の統計的な有意性の担保、すなわちP値の計算は生命科学をはじめとするデータマイニングの主要な応用領域では必須の要請であるにも関わらず、長く重要視されてこなかった。本講演では、2013年にPNASで発表された寺田らの論文をきっかけに現在急速に研究が進んでいるこの問題への取り組みについて紹介する。特に、データマイニングの分野で発達した超高速アルゴリズムと、統計の分野で発達した多重検定法を融合することで、この問題の解決を可能にする最新の成果について紹介する。

・世話人:三森隆広、長崎正朗

第56回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(2月13日)

第56回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は九州大学大学院理学研究院・手島康介先生を講師としてお迎えし、「集団遺伝とcoalescent理論」について講演していただきます。

・日時:平成27年2月13日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:集団遺伝とcoalescent理論
・講師:手島 康介(九州大学大学院理学研究院)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:ゲノム多様性データから生物の進化的変化を推定することは(特に進化に興味を持つ)多くの研究者の注目するところである。なお、ここで進化的変化とは非常に長い進化的タイムスケールにおける生物の変化のことを指すものとする。集団遺伝はゲノム多様性データから進化的変化を推定する時の理論的解析枠組として有効に働くものと考えられる。本セミナーではまず集団遺伝学における進化プロセスの捉え方と基礎的な解析手法について簡単に紹介する。その後、近年の集団遺伝学的解析において良く用いられているcoalescent理論について概説を行なう。coalescent理論は近年の計算機を用いたベイズ推定の発展とも相まって、主に進化パラメータの推定などに使われている。さらにcoalescent理論を用いた例として、法医学分野におけるY染色体ハプロタイプの一致確率に関する考察した事例と、重複遺伝子の進化プロセスをcoalescentを用いて考察した事例の二点について紹介する。

・世話人:河合洋介、長﨑正朗

第55回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(2月6日)

第55回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・岡田随象先生を講師としてお迎えし、「遺伝統計解析による疾患病態解明、新規創薬、疫学への挑戦」について講演していただきます。

・日時:平成27年2月6日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:遺伝統計解析による疾患病態解明、新規創薬、疫学への挑戦
・講師:岡田 随象(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:遺伝統計学とは、生物における遺伝情報と形質情報との結びつきを、統計解析を通じて明らかにする研究分野である。ヒトゲノム配列が解読されてから10年が経過し、数千人~数十万人規模のサンプルにおける遺伝情報が得られる時代が到来した。これらの膨大な遺伝情報に対する大規模ヒトゲノム解析を通じて、多数のヒト疾患の発症に関わる遺伝子が同定されてきた。また、得られた疾患関連遺伝子を多彩な生物学・医学データベースや創薬ターゲット遺伝子群と横断的に照合する遺伝統計解析により、新たな疾患病態の解明や、ドラッグ・リポジショニングを通じた新規創薬に貢献できることが明らかになりつつある。特定の疾患の組み合わせにおける合併率の変化など、疫学研究が指摘した疑問点の解決に向けて、遺伝統計解析の側面からのアプローチも行われている。本セミナーでは、様々なヒト疾患を対象に我々が行ってきた遺伝統計解析の成果を紹介すると共に、ヒトゲノム解析の今後の展望について述べたい。

・世話人:山口由美、長﨑正朗

第54回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(1月30日)

第54回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は東京大学大学院医学系研究科・西岡将基先生を講師としてお迎えし、「脳機能の多様性をもたらすゲノム・アーキテクチャーの探索:LINE1を中心に」について講演していただきます。

・日時:平成27年1月30日(金) 16:00‐17:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:脳機能の多様性をもたらすゲノム・アーキテクチャーの探索:LINE1を中心に
・講師:西岡将基(東京大学大学院医学系研究科 精神医学分野)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:多様な脳機能を遺伝子という観点から理解しようと、精神疾患をはじめとした遺伝学的研究が盛んに行われている。特定の遺伝子多型・変異と精神機能との関連が多数報告されているが、概ね低いオッズ比・浸透率であり、多くの遺伝子が複雑に関連するものと考えられている。我々は、個体レベルの遺伝子多型・変異に加えて、脳の発生過程において生じた体細胞変異が、精神疾患の発症など脳機能の多様性に寄与しているのではないかと考えており、ヒト脳における体細胞変異の解析を進めている。中でもレトロトランスポゾンLINE1に注目している。  方法としては、1)全ゲノム配列解析データからLINE1の配列を抽出し、新規挿入かつ臓器(細胞種)特異的なものを同定するin silicoの方法、2)自律活性を持つL1Hsに特異的なプライマーを用いたTAIL-PCRと次世代シークエンサーにて挿入位置決定する方法(L1Hs-seq)を用いている。現在進めている予備的検討の結果を報告し、データの解釈とともに、脳における体細胞変異の解析の今後の展開と精神疾患との関連について議論したい。

・世話人:佐藤行人、長﨑正朗

リトリート大学院生研究発表会にて博士課程1年の吉田裕司がポスター研究奨励賞を受賞

1月17日に開催された第8回リトリート大学院生研究発表会にて、博士課程1年の吉田裕司がポスター研究奨励賞を受賞しました。
発表内容はミトコンドリア変異検出法の開発と評価に関する研究で、4月からの成果と今後の展望をまとめたもので、研究の将来性が評価されての受賞でした。


吉田裕司 博士課程1年

第53回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(1月9日)

第53回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は自然科学研究機構基礎生物学研究所・柴田朋子先生を講師としてお迎えし、「少量DNAからの1分子シークエンシングによる新規ゲノム解析法の開発」について講演していただきます。

・日時:平成27年1月9日(金) 9:00‐10:15
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:少量DNAからの1分子シークエンシングによる新規ゲノム解析法の開発
・講師:柴田朋子(自然科学研究機構基礎生物学研究所)

・概要:1分子シークエンサー、PacBio RSIIは、可読配列長が平均7−8 kb、最長30 kbと長く、シークエンシングの過程でPCRによる増幅を行わずに塩基配列を決定することが可能である。そのため、増幅されにくい領域や長い繰り返し配列などが読めるようになり、より精緻なゲノム解析が可能となった。しかし、増幅を必要としない反面、解析には大量のDNAが必要となり、生物によっては必要量のDNAを確保できない場合も多い。そこで我々は、バイアスを生じずにDNAを増幅できるとされるPhi29 DNA polymeraseを用いて増幅したDNAについてPacBioによるシークエンシングを行い、少量DNAから新規ゲノム解析を可能にする方法の開発を行った。本セミナーでは、この方法で得られた細菌ゲノム及び真核生物ゲノムのデータの解析結果について紹介し、今後の展望を議論する。

・世話人:長﨑正朗

第52回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(1月7日)

第52回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回はサンパウロ大学・アンドレ藤田先生を講師としてお迎えし、「生物学的大規模データにおける計算統計:方法および活用」について講演していただきます。

・日時:平成27年1月7日(水) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:Computational Statistics in Biological Big Data: Methods and Applications
・講師:アンドレ 藤田(サンパウロ大学)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:The understanding of the biological mechanisms underlying human diseases is one of the main challenges in biological sciences.
Although several efforts, the large number of heterogeneous factors that influence the genesis of a disease makes it a very hard task. One of the challenges consists in understanding diseases by developing methods to statistically analyze and computationally manipulate big data. This difficulty is generated by ultra large data size, heterogeneity, ultidimensionality, and presence of intrinsic noise.
In this context, computationally intensive statistical methods developed by our group are presented with applications in neuroscience and molecular biology. In neuroscience, the focus is on the analysis of resting-state fMRI data of ~600 individuals diagnosed with ADHD and ~900 subjects with ASD. In the context of molecular biology, partial results obtained from the study of miRNA expression of a cohort of ~2,000 breast cancer subjects are presented.

・世話人:小島要、長﨑正朗

第51回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(12月12日)

第51回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は琉球大学・木村亮介先生を講師としてお迎えし、「ゲノム人類学のすすめ」について講演していただきます。

・日時:平成26年12月12日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題: ゲノム人類学のすすめ
・講師:木村亮介(琉球大学大学院医学研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:ヒトは各々が異なる組み合わせでゲノム変異をもち、容姿や体質など表現型においても多様性が存在する。ヒトの生物学的多様性がどのようにして形成・維持されてきたかを理解するためには、1)ヒトがどのように世界中に拡散し、どのように環境に適応してきたかを知ること、また、2)偶然(中立)の下で生じ得る多様性の大きさを理解することが重要である。現在、我々の研究室では、特に琉球列島の人々に焦点をあてながら、アジア人におけるゲノムおよび表現型の特徴と、その特徴が形成されるに至った背景について研究を進めている。さらに、顔貌などの可視形質について、その遺伝要因を同定することにも取り組んでいる。近年のゲノム解析技術の進歩とヒトゲノム変異の高密度なカタログは、生物医科学研究の戦略を劇的に変革し、研究者は膨大なデータと格闘する必要に迫られるようになった。本研究会では、日進月歩で進む集団ゲノム学の研究手法を概観しつつ、我々の取り組みについても紹介したい。

・世話人:河合洋介、長﨑正朗

ジャポニカアレイ®に関するプレスリリース

当研究室で設計を行ったジャポニカアレイ®のプレスリリースが発表されました。

東北メディカル・メガバンク機構  2014.11.18 ニュース
ToMMoの研究成果が、COI東北拠点による日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」に活用されました

スクリーンショット 2014-11-19 13.08.30

東北大学 2014年 | プレスリリース センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの社会実装成果発表について

カテゴリー: news

Biohackaton 2014にて講演

長﨑正朗教授が11月9日(日)にBiohackaton 2014にて講演を行いますのでお知らせ致します。

シンポジウム名:Biohackaton 2014
日時:2014年11月9日(日)
場所 : 東北メディカル・メガバンク棟会議室
講師:長﨑正朗 10:20~10:40「Introduction to the Tohoku Medical Megabank Organization and What is Happening in the Human Reference Genome?」

プログラムの詳細は下記にてBioHackatonホームページ