長﨑教授が第23回日本遺伝子診療学会大会で講演を行います(10月7日)

10月7日(金)長﨑教授が第23回日本遺伝子診療学会大会で講演を行います。

・日時:平成28年10月7日(金)
・場所:イイノホール&カンファレンスセンター
・セッション&テーマ:シンポジウム3 「遺伝統計学の基礎と臨床応用」
・講演タイトル:日本人2049人の全ゲノムリファレンスパネルの構築と今後

第75回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年9月2日)

第75回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は藤田保健衛生大学・嶋田誠先生を講師としてお迎えし、「ヒトSTR配列における選択圧を通じてトリプレット反復病と人類進化の関連を探る」というタイトルで講演していただきます。

・日時:平成28年9月2日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ヒトSTR配列における選択圧を通じてトリプレット反復病と人類進化の関連を探る
・講師:嶋田誠(藤田保健衛生大学 総合医科学研究所)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:数塩基の短い塩基配列の反復である、STR (Short Tandem Repeat) は反復数変化が高頻度に起こる。そこで反復数の高変異性を通じて、適応的形質や進化的安定状態を速やかに獲得したとする仮説が提唱されている。反面、ヒトの反復配列には、神経変性疾患の原因となる反復配列が複数知られている。そのような危険な複数の反復配列がなぜ人類集団に維持されているのか、良くわかっていない。我々は自分たちが構築し公開している、遺伝子データベース、H-invDBに多型情報を統合することで、ヒトゲノム中のSTR反復数および反復多型状態を決定した。さらに相互比較することによって、それぞれのSTRにおける選択圧を評価した。その結果、アミノ酸コード領域中STRにはプロリン反復とグルタミン反復をそれぞれ代表例とする二つの機構により、DNA配列レベルで反復を短く抑えながらも、反復アミノ酸配列を実現していることが分かった。さらにグルタミン反復はアミノ酸レベルで長い反復を持つ傾向があり、特に反復多型座位は、脳・神経系の発生調節に関わる遺伝子中に存在する傾向が明らかになった。我々の結果は、これらの反復座位が多型を持つことで脳・神経系の発生調節に関する機能の多様化を促した可能性を示した。さらに、人類進化における社会性の進化とSTRの神経発達調節におけるスイッチ機能の関連を議論した。

・世話人:河合洋介、三澤計冶、長﨑正朗

長﨑教授が台湾とのシンポジウムNHRI-ToMMo Conferenceにて講演を行います (7月15日)

7月15日(金)、長﨑教授が台湾とのシンポジウムNHRI-ToMMo Conference“Genomics, Biobanking, and Learning Health Systems”にて講演を行いますのでお知らせいたします。

・日時:平成28年7月15日(金)13:15-13:45
・場所:東北大学星陵キャンパス医学部6号館1階 講堂
・セッション:Panel 2・Genomics and Omics
・演題:Two thousand Japanese whole genome reference panel in Japan and Bioinformatics

複数の研究機関が持つゲノムデータを相互に開示せず分析する解析手法を開発~プライバシー保護データマイニング技術によるフィッシャー正確確率検定を世界で初めて実現~【プレスリリース】

当研究室で開発を行った研究がプレスリリースとして発表されました。

日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫)と国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)の三澤計治助教(バイオメディカル情報解析分野)、荻島創一准教授(バイオクリニカル情報学分野)、長﨑正朗教授(バイオメディカル情報解析分野)の研究グループは、ゲノム情報を暗号化したまま、複数の研究機関が持つゲノム情報を相互に開示することなく正確に分析する、プライバシー保護データマイニング技術によるゲノム解析手法を共同で開発しました。近似であるカイ二乗検定による解析ではなく、正確性を期したフィッシャー正確確率検定を世界で初めて実現し、疾病情報と遺伝子との相関を調査するのに要する時間が、従来の1年以上から約20分に短縮可能な手法(1000人分のデータによる試算)を開発することで、プライバシー保護データマイニング技術によるゲノム解析の実現に必要となる基盤技術を確立しました。本成果によって、複数の研究機関が安全にゲノムデータを持ち寄り分析することで、医療の更なる発展へとつながることが期待されます。
なお本成果は、NTTとToMMoによる共同研究「ゲノム情報を分散・秘匿化したままセキュアな環境で情報解析するための基盤技術開発のフィージビリティスタディ」によるもので、2016年7月14日より開催されるコンピュータセキュリティ研究会の研究発表会にて発表します。

東北メディカル・メガバンク機構ウェブサイト(2016.07.12)より抜粋

リンク元:http://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/16271

長﨑教授が第1回ジャポニカアレイ研究会にて講演を行います(5月14日)

5月14日(土)、長﨑教授が第1回ジャポニカアレイ研究会にて講演を行いますのでお知らせいたします。

・日時:平成28年5月14日(土)13:30-
・場所:株式会社東芝本社ビル39階(東京都港区浜松町1-1-1)
・演題:ジャポニカアレイ®と今後の展望

 

The 4th International Symposium on Bioinformatics for Next Generation

長﨑教授が4月2日、4th International Symposium on Bioinformatics for Next Generation Sequencing with Applications in Human Geneticsにおいて講演を行いました。
・日時:2016年4月2日(土)11:10-11:45
・場所:京都大学国際科学イノベーション棟5階シンポジウムホール
・タイトル:Two thousand whole-genome reference panel and towards optimized reference genome in Japan

 

第73回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年2月12日)

第73回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は東京大学大学院医学系研究科・人見祐基先生を講師としてお迎えし、免疫系疾患を対象とした遺伝要因の探索について講演していただきます。

・日時:平成28年2月12日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:免疫系疾患を対象とした遺伝要因の探索
・講師:人見祐基(東京大学大学院医学系研究科人類遺伝学分野)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、特に多因子疾患の疾患感受性遺伝子を網羅的に探索する遺伝統計学的手法として、国内外で大規模に実施されている。その一方で、GWASでは説明することができない遺伝的リスク(Missing Heritability)が存在することが分かっており、疾患発症における遺伝要因の全貌解明のために、更なる研究が期待されているところである。 本セミナーでは、免疫系の寄与が想定されている疾患を対象として、その発症機序に加え、現在までに明らかとなっている遺伝要因(特にHLA)について概説する。さらに、原発性胆汁性肝硬変(PBC)やスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の発症における遺伝要因の網羅的探索を目指した、ToMMoと共同で実施している研究についても、併せて紹介する。

・世話人:小島要、長﨑正朗

第72回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月26 日)

第72回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は大阪大学産業科学研究所・武田龍先生を講師としてお迎えし、音声対話システムにおける要素技術と最近の機械学習について講演していただきます。
・日時:平成28年1月26日(火) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:音声対話システムにおける要素技術と最近の機械学習
・講師:武田龍(大阪大学産業科学研究所)

本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:音声対話システムとは,人間の音声による問いかけに対して,それを理解し,応答を返すシステムである。このようなシステムは,例えば,携帯端末のインタフェース(Siri)やロボット(Pepper)に応用されている。私たちの研究室では,ユーザ発話の言語的な理解だけでなく,発話行動の階層的理解やシステム・ユーザの相互適応などに着目して研究を進めている。具体的には,ターンテイキング(発話タイミング),対話を通じた知識獲得,対話ロボットといった内容に取り組んでいる。これらの研究において,機械学習は必要不可欠な技術であり,システムの要素技術である信号処理や音声認識,中核となる対話戦略やユーザモデルの学習まで広く利用されている。本セミナーでは,音声対話システムにおける課題や必要技術,機械学習技術の適用に関して,本研究室の研究事例も交えて紹介する。また,要素技術における最近のDeep Learningの適用例や自身の取り組みに関しても紹介していく。

・世話人:小島要、長﨑正朗

第71回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月22 日)

第71回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は東京大学大学院新領域創成科学研究科・笠原雅弘先生を講師としてお迎えし、ゲノム配列決定の情報処理技術について講演していただきます。

・日時:平成28年1月22日(金) 17:00‐18:30
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階小会議室2
・演題:ゲノム配列決定の情報処理技術
・講師:笠原雅弘(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:世界初の商用リアルタイム1分子DNAシークエンサーである PacBio RS を
用いた全ゲノムショットガン法は、ゲノム配列を高効率・高精度に決定するための手段としてデファクトスタンダードになりつつある。しかし、それ以前のDNAシークエンサーと比較して連続読み取り長(リード長)が1桁大きく塩基の読み取りエラー率が1桁以上高いため、出力された情報を活かしきって大型ゲノムの配列復元(ゲノムアセンブリ)を行うことは難しかった。本講演ではゲノムアセンブリを行う情報処理技術の進展、特に塩基エラーの訂正技術や大型ゲノムへ対応するためのデータ構造の工夫などについて紹介する。また、PacBio 以外の新しい観測技術を用いた萌芽的なゲノム配列決定技術の動向についても紹介したい。

・世話人:柴田朋子、長﨑正朗

第69回インシリコ・メガバンク研究会開催のお知らせ(平成28年1月12 日)

第69回インシリコ・メガバンク研究会を下記のとおり行いますのでご案内いたします。今回は名古屋大学大学院医学系研究科・祖父江元先生を講師としてお迎えし、日本人ゲノムを用いた筋萎縮性側索硬化症病態関連遺伝子の探索について講演していただきます。

・日時:平成28年1月12日(火) 15:30‐17:00
・場所:東北メディカル・メガバンク棟3階大会議室
・演題:日本人ゲノムを用いた筋萎縮性側索硬化症病態関連遺伝子の探索
・講師:祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科)

*本講演は医学系研究科系統講義コース科目の授業として振替可能です。

・概要:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性脱落により進行性の筋萎縮と筋力低下をきたし、発症から数年で死亡または永続的な人工呼吸器装着が必要となる神経難病である。ALS患者の10%程度は単一遺伝子病であると想定されており、原因遺伝子が複数同定されているが、大部分を占める孤発性ALSの病態関連遺伝子・分子は十分明らかにされていない。病態解明、治療法開発にあたっては孤発性ALS病態関連遺伝子・分子の同定が必要である。
我々は多施設共同ALS患者レジストリシステムであるJaCALSを立ち上げ、既に1140例のALS患者の前向き臨床情報とゲノムDNAおよび不死化リンパ球を蓄積している。この研究リソースを活用して一塩基多型(SNPs)を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、孤発性ALS関連遺伝子としてZNF512Bを同定、急速進行型孤発性ALSにTitinの発現低下が関連などの実績がある。
近年、孤発性疾患の病態に対してはcommon SNPsではないアレル頻度の低いvariantsが多数寄与しているというmultiple rare variants仮説が提唱されている。本研究においては、JaCALSの孤発性ALSゲノムと東北メディカル・メガバンク機構におけるコントロールを用いた関連解析により、孤発性ALS関連variantsを同定することを目的としている。我々は孤発性ALS 750例分のエクソーム解析を今年度中に終了する見込みであり、円滑に関連解析を開始できる状況にある。解析の結果、孤発性ALS関連遺伝子を見出した場合、特定の遺伝子型をもった患者由来のiPS細胞作製などにより、疾患モデル作成、病態解析、治療薬スクリーニングを進める予定である。

・世話人:長﨑正朗